今昔物語
その1
今は昔、塩釜市内にライバルチームの親軍団がいた。
今は昔、塩釜市内にライバルチームの親軍団がいた。
「みんな仲良くしなさい」「チームプレーが大事」と言っているわりには、いつも敵対心をむき出しにし、子供の試合を応援している親たち。
或る日、それを見かねた小幡監督が市内及び県内のチームを集めて運動会を開催した。各チームから持ち寄った賞品で盛り沢山の運動会は、わきあいあいと進行するはずだった……が。「りんごの皮むきが半分でゴールした人がいる!」「パンくい競争のパンを食べのこしているー!」など、火に油を注ぐ結果になってしまった。
「やれやれ困ったもんだ」と思い悩んだあげく「他人のふり見て我がふり直せ」と塩釜サッカー少年団(塩釜FCの前身)は親の会を廃止。以後、指導者不足、来たる未来の少子化、グラウンド確保の困難などの理由で市内のチームをひとつにし塩釜FCになった後もそれは続いている。