今昔物語
今は昔、右翼の人たちに助けられる事件があった。
小幡家は当時喫茶店をしており、困り事相談所と化していて、勉強、家出、けんか、いじめなどありとあらゆる相談事で訪れる人達がたえなかった。先生も警察官もこわくない人種が多い時代に、某中学校のサッカー部の母親がかけこんできた。
「家の中で六人でシンナーを吸っていて、手が付けられない。何とかして下さい!」
そこに居あわせたのが、コーヒーを飲んでいたOBと右翼の人。とるものもとりあえず、六人のもとへ、家の前には「街宣車」戦闘服を着た右翼の人と車を見て、真っ青の六人が、ただ呆然……。
「シンナーなんかやめろ、身体ががたがたになるぞー」「やめないと山にうめるぞー」
後日、小幡宅に現れた六人、「おっかなかった、小便チビッタ」と二度としないことを誓いあったのだった。今ではパパになり、「勉強しなさい」などと子供に言っているらしい。