今昔物語

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今は昔、サッカー大好きなおばちゃんがいた。

自分の子供がサッカーをやっていた頃は当然の事、卒団してからも塩釜FCのおっかけをし、いろいろな方面から応援してもらっていた。サッカー好きは塩釜FCのおっかけにとどまらず、少年サッカー、中総体、高総体、クラブの大会など、時間さえあれば私と一緒に常にあちこちに姿を表し夢中になって観戦に励んでいた。
ルールは勿論の事、戦術面も頭の中に入っていて審判よりジャッジが早い。時には試合に夢中になり、応援席で一緒になって足で蹴り上げる事も度々。ある高校の試合では、審判の判定を不服とし「あんた!何見てんの!」などと大声でクレーム。自分の子供がいないのにすごい。
また、他人の子供でも悪さをすれば、頭から「こつん」と、げんこつを落とす。それでもおばちゃんのいうことが正しい上に、愛情がわかるから誰も反発しない。そんなおばちゃん「升井」さんも数年前胃がんで天国に召された。ぽっかりと心に穴があいたようだった。そんなおばちゃん今の時代はいないのかなー。