今昔物語

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今は昔、やっかいな母親がいた。

親の会がないのが塩釜FCだが、ちょっとかわったお母さんがいた。超過保護なお母さんは、小学校一年生の息子を連れて練習に現れた。当時大学生だった藤崎コーチ(現専務理事)が指導に当たっていたが毎日、タクシーで現れ、練習が終了するまでじーっと練習を見学、そして練習が終るとタクシーで帰っていくのが日課だった。
練習がやりづらいと知った私は、遠征に参加してもらうことをきっかけにそのお母さんをスタッフ側に巻き込んだ。と言っても指導スタッフに入ってもらったわけではないが、側面からみんなを見守って欲しいとの理由で、我が子だけを見る視点を全体を見る視点に変えていった。
以来約二十年、子供が卒業してからも家族ぐるみでチームを支えてくれている。今でも試合の応援に駆けつけてくれたり、以前のやっかいさは全然なし。現在のクラブ員のお母さんたちも自分の子供が卒業しても応援に来てくれると嬉しいのだが……。