今昔物語

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その14

今は昔、のんびり屋のキャプテンがいた。

お世辞にもサッカーが上手いとは言えないがどこかにくめなく、頼り甲斐があるわけでもないけれど皆から好かれていた。夢は大きく、ドイツ留学してプロになりたいといつも話をしていてくれた。遠征先で扇風機に指をはさんで爪が割れたり、話し方が「トロ」かったりでいつも機敏な兄と比較されていたが、学業は兄を上回っていた。
そんな康次郎ちゃん、誰も予想しない道に進んだ。
なんと「よしもと新喜劇」のオーディションを受けたのだ。今は下積みで頑張っていると風の便りに聞いている。本当に自分の進みたかったのはこの道だったんだと後から聞いて知った私達は彼の成功を心待ちにしている。お母さんが苦労して育てた康次郎、略して「ジロチャン」。お母さんや兄・妹のためにも早く一人前になって!
サッカーだけが道じゃないと目標を変えたときのジロチャンの意志、そして動き出した力。本当に尊敬する。新たな目標を見つける時がきっと来る。後輩達よ!誰かが見ていてくれるよ。足をしっかり地につけて頑張れよ!ちなみにこのジロチャン。前出ウインク事件のタケオチャンの弟である。