今昔物語
今は昔、塩釜FCの小中学生は、塩釜市あげての伝統行事塩竈神社のお祭りに参加していた。
ある祭りで、かつぎ手不足の時があり、白装束を身にまとい、一トンの神輿を十六人でかつぐ中、中学生がかりだされた。いくら大人ぶってもしょせんは中学生の体力。重みに耐えかねてつぶれてしまった。それでも地面に神輿をつけてしまったら、神様を地に下ろしてしまう事を知っていた中学生達は大人の「何やってんだ。バカヤロー」の声にも反発せず、必死に身体を神輿の下に……。宗教を別にし、地域の神様をお守りする姿勢は親から伝えられていた。
また、ある時、毎月一日に子供達が神社清掃の奉仕作業をしている姿をテレビの生放送で紹介されることになった。「ズームイン朝」を見入っていたら、予定の放送時間よりずっと短くなってしまった。何事が起きたのかと思ったら、ライフル銃を持った銀行強盗が人質を取ってたてこもると言う事件が発生し、映像が切り替えられ子供達の出番が短くなり、がっかり……。
またある年の「みなと祭り」大型台風が塩釜を襲った。我が家も一階が地面から一メートルまで浸水し、大変な騒ぎになっていた時、一人の小学生が現れた。人っ子一人歩いていない道を必死の形相で現れ「今日祭りに出ないの……!?」。当然、祭りは中止になっており、各家庭は台風対策で大変な中の出来事。こんな強風、大雨の中、祭りが出来ないことと皆わかっていると判断し、中止の連絡を入れなかったことを反省しやってきた小学生にお詫びした。S君に責任感がこんなにあったなんてただただ感心……。今はどんな生活を送っているのか……。
雨がちょっとでも降ると、
「今日、サッカーの練習ありますか?」
とよく電話が入る。雨でも雪でも練習をして帰った時代の子供達は、エライ!何も言わないで任せてくれた親もエライ!!